7 の可能性をつなぎ、人と人、場所と場所、そして時間と時間をつなぐ存在でありたいと思います。企業が立地を選ぶに当たってはそれぞれの考えがあると思いますが、一定の機能集積がある一方で一部を除き道路や建物が狭い都心部と比較して、計画された都市景観と、道路が広く街区がまとまった大きさがあることは臨海地域の独自性でありアドバンテージだと見ています。アミューズメント施設についても、人の楽しみが多様化するなかで、お台場はすでにさまざまな娯楽を提供していますが、豊洲市場周辺にも集客施設が加わり、沿線にはさらにアリーナなど新たな施設も整備されています。未利用地のイベント時利用とも連動させながら、多様な都市的魅力を継続的に創出する場となる可能性を秘めていると考えています。 臨海地域は、職・住・遊の複合機能を備えた都市として発展してきました。コロナ禍を経てお台場などにはにぎわいが戻りつつあります。この「遊」の部分には、さらに魅力を増していくポテンシャルがあると思っています。春から夏にかけて、臨海地域らしいにぎわいを数多く生み出すことができていますが、秋・冬の特徴作りはこれからだと認識しています。ゆりかもめは定期以外のお客様が多くを占めますが、その乗降客数を増やせるよう、秋や冬の季節も楽しめる臨海地域を、地域と協力しながら作っていく所存です。 この地域にはない「路地」や「路地裏」などが好きな方もいると思います。ヒューマンスケール感や賑わいが感じられることが魅力なのでしょう。ウォーカブルで人間中心の都市を実現するには、単に移動空間を整えるだけでなく、「回遊性」や「滞留性」を踏まえて施設を配置すること。そして、道路が広く街区が大きいからこそ、立ち止まれる余白を、意識的につくる必要があると考えています。にぎわい作りにはさまざまな手法があり、新たな手法をもって新しい魅力づくりを目指していくことがこれからは大切になるかもしれません。 ゆりかもめはこれまで 10億人を超える方々にご利用いただいて、今日に至ります。日々ご利用いただいているお客様に改めて感謝申し上げます。また、30年の歩みは、社員の皆さん一人ひとりのご労苦によって築かれてきました。日々の安全を支えてくださっていることに深く感謝しています。変化の激しい時代のなかで、これからも健康に留意しながら専門性を磨きつつ幅広い知を身につけていただき、前向きな挑戦を重ねていただきたいです。社員の方々の仕事を支えているのはそれぞれのご家族であり、ご家族の皆様にも御礼申し上げます。そして、 ゆりかもめは常に進化し続けるモビリティでありたいと考えています。都市のインフラは、単なる施設ではなく、未来のあり方を静かに方向づける存在でもあります。私たちが今どのような都市像を描き、どのような移動を提供するかが、次の世代の暮らしの基盤になります。これからの 30年も、私たちは都市とともに、社会とともに、そして未来を担う子どもたちとともに歩んでまいります。私たちの挑戦に、どうかご期待ください。Top Message── 臨海地域とともにますます発展していくに当たって、課題はどのようなことでしょうか。── 30周年を迎え、お客様と社員の方々にメッセージをお願いします。
元のページ ../index.html#9