47(左)浸水検知センサーの設置。(右)非常時対応訓練の様子。※9 QR コードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。B リーグ「アルバルク東京」と連携し、青海駅の装飾を実施©ALVARKTOKYO(写真提供:トヨタアルバルク東京株式会社) 臨海地域の都市開発は、これからより充実の度を増していくことが予想されています。そのなかでゆりかもめには、移動手段であることにとどまらず、地域の魅力を高める「都市の価値創造パートナー」としての役割が期待されていると認識しています。 交通インフラとして安全・安定運行を維持していくことでの信頼性向上に加え、都市開発との連携を一層強化し、商業施設や住宅との物理的な接続性を高め、職・住・遊のそれぞれの目的で臨海地域を訪れる人々にとっての「便利さ」を追求していくことが大切だと考えています。また、この地球が持続可能なものであり続けるための環境への配慮も、公共交通機関であるゆりかもめの使命のひとつと捉えています。一方で、国内外の先進事例を学び、人材育成の充実、専門技術の蓄積を図り、常にもっと良いサービスを、もっと確かな安全を追い求めていかなければならないとも考えています。地域とともに進化してきた鉄道としてゆりかもめは、これからも期待に応え、期待を超えられる存在として、常に挑戦を続けていきます。 近年、自然災害や大規模停電の影響で、公共交通機関の輸送障害が起きるケースが増えています。ゆりかもめでも、2024(令和6)年2月の大雪時、同年8月の豪雨時をはじめ、2024年からの約2年間で約5件の駅間での運行停止が発生しました。 当社では、鉄道会社と連携した安全対策事例の共有、走行路の異常を検知できる車載レーザーなど新技術の活用を進めています。また、飛来物に対しては監視カメラ・車載カメラの搭載や強風時の添乗巡回の強化、豪雨対策としては排水桝の周囲へのゴミ流入防止フィルター設置、雨量監視システムや浸水検知自動送信システムの導入などを進めています。 自動運転で運行されるゆりかもめの安全・安定運行を支えている意識を社員それぞれが持ち、専門性や現場での対応力を一層研鑽していくことの重要性をより強く認識していきたいと考えています。 2025(令和7)年3月、外国人をはじめとした旅行者等に対するスムーズな移動サービスと柔軟な企画乗車券の提供を目的に、全16駅でクレジットカードタッチ決済による乗車サービスと QR コード※9乗車券「ゆりかもめ EnjoyPass(エンジョイパス)」をスタートさせました。「ゆりかもめEnjoyPass」は、スマートフォンなどで事前にネット購入し、画面に表示された QR コードを対応改札機のリーダーにかざして乗車できるデジタル企画乗車券です。「おトクな!沿線観光施設セット券」「ゆりかもめ一日乗車券」「ゆりかもめ 24時間券」の 3種類をそろえました。 さらにスマホのアプリとの連携など、より便利な利用環境の構築に向けた取り組みも進めています。Chapter02 ゆりかもめの 10年 2016〜2025年まで安全安心に向けた取り組み一層の利便性を実現──デジタル乗車券の導入都市開発のさらなる発展とともに2025
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