ゆりかもめ 30周年記念誌
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46(上)“SBSTransit 社JeffreySimグループ CEO” が来訪。(左下)“ シンガポール陸上交通庁YeeBoonCheow 副長官 ” と記念撮影。(右下)チャンギ国際空港のレイン・ボルテックス前にて。31 の言語に対応したユニバーサルコミュニケーション機器を導入。※東京都都市整備局の「鉄道駅におけるユニバーサルコミュニケーションシステム整備事業費補助金」を活用しています。9日までの日程で、シンガポール陸上交通庁(LTA)や MRT(マス・ラピッド・トランジット)運営会社、スマート交通「多様性」を尊重する動きを強めるなか、当社ではこれに呼第3節 時代の変化に即応しながら [2023-2025]案内が求められるようになっていました。2019(平成31)年3月、2020年に開催が予定(当時)されていた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて案内放送設備を一新しました。多言語放送システム老朽化による設備更新への取り組みが課題となっていたことも背景にありました。国内外のお客様への的確な接近・出発などに関する案内放送や啓発放送、運行情報などを多言語で放送することで、安全・快適な輸送サービスを提供するものです。 具体的には、更新する指令所の案内放送設備に音声合成エンジンを搭載した日・英・中・韓の 4カ国語による多言語放送システムを導入しました。指令所のタッチパネル操作により、音声ファイルに登録した音源を選択して、各駅への多言語による情報提供環境を実現したものです。各駅の放送設備も一新され、音量などの見直しも行い、明瞭で均一な放送環境を実現しました。 さらに 2019年10月、世界74言語に対応した AI 通訳機「POCKETALK®(ポケトーク)W」を、お客様ご案内ツールとして導入しました。新橋駅・台場駅など外国人のお客様の利用が多い駅にポケトーク25台を設置し、サービス向上を図ってきました。 2025(令和7)年11月に開催が予定されている「第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025」に向けて、高齢の方・聴覚障がいのある方がより安全にゆりかもめを利用できるよう、ユニバーサルデザインの充実化を図っています。 全駅のトイレに、光の点滅によって火災の発生を知らせる光警報装置を 10月までに導入し、音による警報に加えてより多くの方の安心をサポートしたいと考えています。4月には外国人観光客や聴覚障がいのある方が駅窓口でスムーズに案内を受けられるように、31 の言語に対応したユニバーサルコミュニケーション機器(音声認識システムを活用した表示ディスプレイ)も導入しました。また、自身のスマートフォンを使って案内サービスを受けられる「スマホでインターフォン」も 13駅の改札口や精算機付近に設置し、運用をスタートしています。 ゆりかもめでは、将来を見据えた戦略的投資と人材育成のために、2024(令和6)年11月、海外の先進事例を学ぶ目的でシンガポールを視察しました。安部文洋社長のほか、運輸部門、技術部門、総務部門の社員7人が、同月5日から関連施設などを訪問しました。 現地では、自動運転技術の導入、運行システムへのスマートインフラの活用、運転士・技術者の教育プログラム、都市交通政策との連携──などについてシンガポールの状況や参考事例に触れ、技術革新と人材育成の両面においてゆりかもめの未来に向けた方向性を考えるヒントを得ました。また、社員1人ひとりの視野を広げ、グローバルな発想力を育てるものとして、海外視察から大きな手応えを得ることになりました。 社会が、性別、年齢、国籍、宗教、性的指向などにおける応してさまざまな取り組みを重ねていきます。ゆりかもめの沿線には、東京ビッグサイトや豊洲市場など国内外から人々が訪れる集客施設が多く、日英のみならず多言語でのゆりかもめ開業30周年記念誌東京2025デフリンピックへの対応海外とのつながり多様性を尊重する社会への呼応2024

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