ゆりかもめ 30周年記念誌
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2001年に新橋現駅舎、2002年に汐留駅、2006年に豊洲延伸と着実に発展してきました。臨海副都心開11月から営業運転を開始し、豊洲市場の開場など、臨海部の風景も大きく変貌を始めました。輸送人員は、2018年度に過去最高の約4800万人を記録しましたが、2020年の新型コロナウイルスの世界的感染拡大 新交通ゆりかもめは、1995年11月の開業当初から全自動無人運転を続け、本年で30周年を迎えました。 これもひとえに、日頃よりご支援・ご協力を賜っている皆様のおかげであり、心より感謝申し上げます。 私たちの使命は、お客様に安心で快適な移動空間を提供し、その先にある体験を支えることです。この基礎となるのは、保守点検や設備管理、運行指令、お客様対応など、日々の現場業務に真摯に取り組む社員一人ひとりの努力に他なりません。車窓からの眺めに見入る親子、動画を撮る観光客、そして通勤や業務の足として利用される方々。こうしたお客様の多様な姿に、私たちの存在意義が現れています。 ゆりかもめの構想は1970年代に始まり、多くの関係者のご尽力を経て、1995年に新橋・有明間が開業。発や、汐留や有明北、豊洲地区の土地区画整理事業等と連動しながら、地域の早期発展に貢献してまいりました。その歴史は、当社の誇りであり、今後も、整備されていく他の交通施設と一体となって役割を果たしてまいります。 この 10年間を振り返りますと、7300系に続き、よりクールなデザインとなった 7500系が、2018年により、激減しました。「不要不急の外出を控える」という中で、公共交通の意義が問われました。 しかし、困難な時期だからこそ再認識されたのは、「交通は社会の基盤」であるということ。ゆりかもめは人だけではなく、信頼と安心も運ぶ存在であり続けたいと願っています。2021年、東京2020大会は、無観客開催でしたが、関係者移動の縁の下の力持ちとしての役割を果たしました。 そして今、私たちは次の 30年に向けて、新たな挑戦を始めています。設備の老朽化に対してデジタル技術による保守業務の高度化、気候変動危機により激甚化する自然災害への備えとして再生可能エネルギーの活用、都市間競争への対応として若者など旅客ニーズを捉えた沿線施設との連携によるサービス開発など、持続可能な成長に向け、取り組んでいます。 変化の激しい時代だからこそ、新しい視点を受け入れ、未来を描く。これが私たちの姿勢です。ゆりかもめは、社員一人ひとりの専門性や技術等のアップデートを支援しながら、柔軟かつスピード感を持って、東京臨海地域の魅力あるこれからの 30年を、皆様とともに創ってまいります。 記念事業として、車両基地公開や夜景列車の運行など、多くの方に “ ゆりかもめの魅力 ” を再発見していただく機会を設けております。継続的に展開してまいりますので、どうぞご期待ください。 今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ゆりかもめ 30周年記念に寄せて

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