ゆりかもめ 30周年記念誌
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33(上)東日本大震災(3/11)本線へ出動し、車両の復旧作業を行う様子。(下)ホイールハブ破断事故の様子。※5 磁気カードによるプリペイドカード方式の乗車カードシステム。PASMOをはじめ各種ICカードの利用が可能になり利便性がアップ。2000(平成12)年に発行したゆりかもめオリジナルのパスネット/かもめカードと、PASMO 当社はお客様の利便性をいっそう向上させるために、磁気乗車券、乗車カードの導入に取り組み、2000(平成12)年に運用が始まったタイミングで「パスネット」※5 を導入しました。また2007年3月からはICカード乗車券「PASMO(パスモ)」を導入するとともに、JR 東日本、東京メトロ、都営地下鉄との連絡定期券の発行を開始しました。さらに2013年3月からは、交通系 IC カード全国相互利用サービスが始まったことで、PASMO 以外のカードでも利用が可能になり、お客様の利便性が一段と向上しました。 また 2013年4月には、放映型・検索型の 2タイプのデジタルサイネージを新橋駅に設置し、稼働を始めました。これは、沿線の観光スポットや施設、ビジネス関連のイベントなどの情報を提供するものです。ゆりかもめ新橋駅と JR新橋駅の連絡口に設置した放映型は、約165インチ相当の55インチマルチスクリーン対応 LED 液晶ディスプレイ6面で構成され、沿線のプロモーション映像のほか、沿線ガ 2006(平成18)年4月14日、豊洲発新橋行きの列車が脱線する事故が起きました。1612列車(07編成)の前から 4両目の 3号車が、船の科学館駅を発車後に左側に沈むように脱線したのです。係員が直ちに急行し、後続列車を含め約380人の乗客を避難させたのち、原因調査と全車両の総点検を行いました。運転の再開は 4月17日の始発列車からになりました。 事故原因は、走行輪(ゴムタイヤ)を車軸に固定する「ホイールハブ」のフランジ部分が破断し、車輪と車軸が分離したことによるものと判明しました。再発防止策として、すべてのホイールハブを新品に交換し、その後の検査においても形状の見直しと材質向上を図った新型ホイールハブに交換しました。この事故を受け、当社ではより実態に即した社内の危機管理体制を整備し、強固な安全対策の構築を図っていきました。 また、2011年3月11日の東日本大震災発生時には、駅間車両や電車線などが損傷し、翌日にわたって運転を見合わせる事態となりました。当社ではこれを機に、各部署で災害時の対応法の再確認を行いました。で 3本の列車が停止、乗客は無事に避難誘導したものの、Chapter01 開業からの 20年 開業前史〜2015年までIT インフラを用いた利便性の進化ますます問われる安全性2011

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