第2節28(上)開業日の業務通報。(下)車両基地で開業日の始発を待つ。レインボーブリッジの向こうに東京タワーも見えるロケーション。車窓からの眺めも多彩なゆりかもめ。(左)開業記念式典で、当時の青島都知事らがテープカット。 計画当初、予想乗客数を 1日5万2 , 000人としていましたが、バブル崩壊などによる進出企業撤退が相次ぐなかで1994年に修正、さらに都市博中止を受けて 2万9,000人と予想されました。しかし、1996年に日本最大の国際展示場として東京ビッグサイトが開業すると、乗客数が大きく増加し、同年度は 1日平均6万4,468人を実現しました。沿線の目的地に向けた乗車に加え、ゆりかもめに乗車すること自体を目的とする人も見られるようになりました。単なる交通手段としてではない存在として認識されつつあることは、以降のゆりかもめが成長を目指すための大きなヒントにもなりました。 開業を 2日後に控えた 1995(平成7)年10月30日、ゆりかもめの開業記念式典が開催されました。監督官庁、東京都、関係区、臨海地域への進出企業の代表者など約400人が出席。青島幸男東京都知事(当時)は「臨海部に住み、働く方々のみならず、広く都民や内外から訪れるみなさんに愛され、親しまれる交通機関になることを祈っています」と挨拶しました。 そして 1995年11月1日6時00分、始発列車が新橋駅1番ホームを出発しました。東京都が多心型の都市を目指す上で重要な役割を果たす臨海副都心と都心とを結ぶ初めての電車の開通でした。 開業時の営業キロ数は、新橋駅~有明駅までの 12 km、運転間隔は朝夕のラッシュ時6分、昼間10分、初乗り運賃によって乗客の減少が危ぶまれたものの、開業2日後にあたる 11月3日(祝日)には予想を上回る 5万3 , 000人の乗客が押し寄せました。は 180円、新橋駅~有明駅が 360円でした。都市博の中止ゆりかもめ開業30周年記念誌開業[1995-2004]1番列車の発車と開業記念式典1995
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