晴海運河日の出〜お台場海浜公園間17街路事業・軌道法新橋〜日の出間浜松町駅港湾整備事業・鉄道事業法日の出芝浦ふ頭東京湾街路事業・軌道法お台場海浜公園〜テレコムセンター間お台場海浜公園台場船の科学館青海港湾整備事業・鉄道事業法テレコムセンター〜国際展示場正門間テレコムセンター新橋駅新橋汐留竹芝隅田川月島晴海街路事業・軌道法国際展示場正門〜豊洲間新豊洲豊洲市場前有明テニスの森有明有明国際展示場正門車両基地豊洲湾岸道路事業区分と準拠法区間図立ち上げの難しさと厳しさを語る古川氏Special Message――― 最初の「急がれている」というお言葉は、副都心開発と現地の方々の想いの両方を背負っているものなのですね。実際の進捗はどうだったのでしょうか? 都の港湾・都市計画・建設の 3局と、設立された東京臨海新交通㈱(ゆりかもめ)が連携して働きかけ、都市空間と港湾空間の垣根を乗り越えて、建設省と運輸省が合意して、早期整備が図られたのが、このプロジェクトの大きな特徴と言えると思います。局や省は管轄や権限が厳密に定められていて、連携するのは大変です。都3局の担当者は朝食付きの早朝会議で迅速に情報を共有し、山場では、連日のように建設・運輸両省各課を回って交渉、都庁に戻って会議資料を作成して終電に飛び乗る、といった毎日でした。――― 資料でも、1日刻みで了承を取り付けていったことがうかがえます。 東京都を挙げての取り組みでした。改めて都や国の関係機関の歴代関係者に感謝したい。――― 計画初期は新橋ルートではなかったようですが? 当初は、最寄りの田町駅に接続する案でした。しかし、新交通システム計画検討委員会において、既成市街地との接続は、4ルート(新橋・浜松町・田町・品川)を比較検討し、乗り換え利便性、導入空間の確保、竹芝・日の出・芝浦の埠頭地区開発との相乗効果を期待して新橋ルートにすることが答申されました。当時、汐留の旧国鉄貨物駅の大規模跡地開発として、都の土地区画整理事業が動き始めていたことで、汐留駅をゆりかもめ、大江戸線一体構造で作れるメリットもありました。ゆりかもめは先行整備するので、設計を工夫して、後から地下鉄の駅舎を整備できる構造にしてもらいました。また、竹芝は 2015年に国家戦略特区の一つに指定されて、非常に大きな開発がなされています。将来を見据えた新橋ルート選択はとても成功していると思います。――― 1985年に設置された東京臨海部新交通システム計画委員会の役割は? 当初、都港湾局と運輸省だけで検討して「第1次東京都長期計画」(1982年)まで進めたところで停滞し、仕切り直しとなり、東京大学の八十島義之助名誉教授(鉄道工学・交通計画学)にお願いして委員会を立ち上げました。同教授のもと、学識経験者、運輸省・建設省・国鉄、都の都市計画局・建設局・港湾局・交通局など関係機関の部長級職員を委員として審議しました。――― 新交通システムを採用した理由はどこにあったのでしょうか? 副都心開発など大プロジェクトでは、通常は当初から鉄道などが計画されるのですが、広大で何もない埋立地の開発ですから、初期投資が大きくて交通事業者が手を挙げてこない。そこでバスと鉄道の中間程度の輸送力の新交通の出番ではないか、となりました。ただ、副都心となるといずれは多様な交通施設が整備される、その時に新交通でいいのかということも大きな議論になりました。一方、できるだけ早く来てほしいというのが地元の悲願で、「埋立地に鉄軌道系を敷きたい」という強い熱意が随所に示されていました。この結果、まず新交通システム、将来的には鉄道という 2段階整備とし、ゆりかもめは他の交通機関と一体となって今後とも大きな役割を果たしていくようにしましょう、という答申をいただきました。私の印象では、これが委員会の最終報告の一番のポイントだと思います。新橋ルートと第3セクター方式の採用早期合意への工夫と関係者の協力
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